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あなたの色に染められて

第19章 約束




『……アァ……アン ……イイッ』

…… なにやってんだよ…俺

『……京介。……もっと。』

後ろから腰を突き上げる度に喘ぎ 俺を求める女

いつからだろう。コイツを抱くときに 顔を見れなくなった。

何度も後ろを振り返り 片手を伸ばして俺の温もりを求めてくるけど そんなの俺には必要ない

ただ 性欲を満たすため。

コイツは会うたびにせがんでくる。付き合ってるわけだし 可笑しくないんだけど

俺の体はコイツを求めていない。

『……京介。もっと!…アァ…いっぱいにして』

声がでけぇっつうの

俺の夢によく出てくる 色の白いあの娘は何度言っても 唇を掌で覆い “声 聴かせて” って頼んだって唇を噛み締めて 首を横に振り吐息を漏らすだけ。

腰だってこんなにゴツゴツしてない。どこに触れても 柔らかくって 吸い付いて俺の手と唇を離さない。

抱き上げて膝に跨がらせると 小さな体で俺に隙間ができないほど抱きついて 俺の耳元でやっと 小さくてかわいい声で喘ぐんだ


『京介……奥 …もっと奥…イカせて』

わがままだって言わない

あの娘は果てる前に

『…キス…キスして』

たった一度俺の目を見て腕を伸ばす

あの娘に全身をキスで埋めてやりたいほど唇を這わせたい。

フラッシュバックのように情景が浮かぶけど それが誰なのか。最近 コイツを抱く以外でもその回数は増えていく。


『……アァ……アッ ……イク……アッ』

背中をしならせて 果てる女の顔は満足そうで

俺はただ スッキリしただけ。




今日 俺は諦めたんだ。

『私にはもったいないほどの彼氏なんですよ。』

そう言って 涙を浮かべてた。

そんなにイイ男がいるなら その彼氏に任せるしかないな。

璃子ちゃんには幸せになってほしい。

だって あの娘は埋めてくれたんだ。

唯一俺が探してた心のピースを埋めてくれた愛しい子だから。



『……京介。明日式場 ホントに見に行ってくれるの?』

『あぁ。』

コイツは俺のそばにずっと寄り添ってくれたヤツで

入院中も部屋の片付けにYシャツの洗濯とずいぶんと気を使ってくれていて

『行くんだろ。』

『ありがと。……京介。チュッ』

今日も俺の胸にキスの花びらを落とす。

『辞めろって』

大して好きでもない女と結婚か……

……バカだな

……俺

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