
あなたの色に染められて
第23章 significant other
敏感な蕾を吸い上げながら一番イイところを指の腹で小刻みに攻め上げる。
『溢れてくるよ…どうする?』
頬に涙が伝う。
ねぇ 私…これってどういう意味?
自問自答しながらたっちゃんの愛撫に溺れる私は淫らになってしまったのか。
『……ダメっ……うっ…』
2本の指をくの字に曲げられれば頂きはもうすぐそこ
目をギュッと瞑り ビクビクと体を震わせて 天に登り詰める私の瞼の裏に何故だろう…京介さんが居た。
体を重ねる度に自分を追い詰めていた。
心と体のバランスが崩れているのに気づかない振りをして
声を聴いてから私の心は完全に京介さんへ戻っているのに こうやって私の弱いところを攻められれば体は正直に反応してしまう。
たっちゃんにすべてを捧げればどんなに愛していても想い出に変わると思っていた。
だってこんなに大切にしてもらってたじゃない。
私のためにと用意してくれた大きなツリー。
でも 今の私が望んだものは キッチンでも寝室でも彼を感じることのできたあの小さなツリーと
私を支え続けてくれたあのハートのネックレスで…
……京介さん。
優しく微笑む彼の顔が瞼に浮かぶ。
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体に力が入らない私をそっと抱きしめて キスを落とそうと近づく唇。
『……イャ。』
クッションに顔を埋め私はその唇を拒んだ。
それでもたっちゃんはまだ息も整わない私を抱き上げてベッドまで運ぶ。
体は騙せても心はもう限界を迎えていたんだと思う。
『たっちゃん…ごめんなさい……降ろして…』
彼もまた気づいていたんだと思う。
だって私の声に見向きもしない。
『……降ろして。』
たっちゃんに届いてるはずなのに
『……お願いだから……降ろして……たっちゃん…』
たっちゃんの胸を叩いて懇願してもそれでも歩みを止めない。
『……降ろして。……降ろしてよぉ!』
足をバタつかせ 泣き叫ぶ私…
寝室のドアを器用に開け ベッドに寝かされて背中を向けて蹲る私。
たっちゃんは私の背中にそっと手を置いて優しく擦る。
彼は本当に優しい心の持ち主で…
『……璃子…』
『……ごめんなさい…ごめんなさい。』
私はこんなにも愛してくれた人を一瞬で裏切った。
最愛の人……
それは やっぱり忘れることのできない京介さんだった…
