
あなたの色に染められて
第26章 Irreplaceable person
パタパタパタ
パタパタパタ
璃子のスリッパの音で目が覚めた。パタパタと音をたててあっちに行ったりこっちに行ったり。
璃子が俺の部屋にいる時にしか聴くことのできない音。…幸せな音。
昨日 洗いきれなかった洗濯物やら朝食の用意に奮闘している光景が目に浮かぶ。
ドアの前でピタリとスリッパの音が止むと
カチャ
ゆっくりとドアが開き スリッパの音を立てないようにそろりとベッドまで歩んできた。
まだ寝てると思ってるのか静かに近づいて ベッド脇から頬杖をついて 寝たふりをする俺の顔を覗きこむ。
『ウフフ…』
俺の髪をそっと撫でて
『…京介さん…うわぁ!…チョット!』
璃子の腕をとり 布団の中に引きずり込むと ギュッと抱きしめてキスを落とす。
『……おはよう…ございます。』
『…朝からなに見てんだよ。』
頬を紅く染めて照れるこいつは俺の宝物。
『…朝メシなに?』
『昨日買ってきたお魚とぉ お味噌汁とぉ 卵焼きは食べます?』
『食う。あとこれも…』
『…キャッ…』
クルッと組み敷いてパーカーの裾から指を這わせて 耳にキスを落とせば
『……ハァ…ダメです…』
『…いただきます…』
『……もう…んんっ…』
太陽の光が降り注ぐ明るい部屋のなか璃子の洋服を捲り上げ ブラを横にずらせば プルンと収まりきらない胸が顔を出す。
『…すげぇエロい。』
『…恥ずかし…んっ…』
朝から璃子を抱けるなんて…
『…プッ…って言うか…すげぇなこの痕…』
『…そう!…もう…すぐに消えないんですからね!』
璃子は俺をジロリと睨み頬を膨らませる。
胸に数えきれないほどの俺の印。さすがにやり過ぎたな。
『…洋服困るんですから!』
『……ハハッ…いいじゃん。俺のだし…チュッ』
『もう!聞いてますぅ?ダメです!』
一生残ればいいのに…どんなに濃くつけてもあっという間に消えるんだ。
ギュッと抱きしめて 膨れた頬にキスを落とすと
『…私も…付けたいな…私のだっていう印。』
俺の胸を優しく撫でながら 照れた顔して
『…一生消えないの付けて…』
唇を俺の胸にそっと這わせて吸い付いた
『…どうかな?』
付けた痕を指先で撫でて随分とご満悦な顔して 俺の顔を覗く。
『…上出来…』
璃子を引き寄せて深いキスを落とした。
『……んんっ…』
