あなたの色に染められて
第27章 お気に入りの場所
『…璃子…』
私に凭れかかるように体を預けて 言葉を紡ぐ度に鼻先が唇が微かに触れる
『…こうやって同じ空気を吸って おまえを肌で感じて…』
囁くような声はこんな場所に座らされている私の動揺を沈めてくれる
『…1分1秒無駄にしたくない…お前に触れていたい…』
『…京介さん…』
胸に視線を落とし この3日間でつけた印に指を這わせながら
『…どんなに璃子を感じても…印をつけても…やっぱ 寂しいな…』
首筋に両手を添えて 胸の内を言葉にしてくれる京介さん。
私だって同じ… あんなに愛してもらったのに不安で押し潰されそう。
『…夏には会いに行くから…』
『…ホントに?…』
『夏休み全部使って会いに行くから…いい子にしてて…』
『…うん…』
髪を耳にかけられると私の頬に伝う雫を指で拭い
『…愛してるよ…璃子…』
『…京介さ…ん…』
首筋に腕を廻して京介さんを引き寄せて私からキスをした。
京介さんの唇を啄むようにそっと重ねながら 髪をそっと撫で
『…ねぇ…』
『…んっ?…』
『…ベッドで…ちゃんと愛して…』
…私から求めるなんておかしいかな。
『…フッ…お前…どこでそんな台詞覚えた…』
もう重ねた唇を私から離すことができないほど 京介さんが欲しい。
『…夏休みまで…いい子に待てるように…』
スッと私を抱き抱えて寝室に向かった。
ゆっくりとベッドに倒されるとトレーナーを脱ぎ去り
私の横に肘をついて 髪を撫でながら微笑む京介さん
『…ねぇ…変なこと聴いていい?…』
『…変なこと?…』
京介さんの胸にかかるネックレスのリングに指を添えながら 不安に思ってたことを口にした。
『…浮気…しない?』
『…浮気?…すると思ってんの?…』
私の頬を指先で撫でながら優しく微笑む
『…だって…私の知らないマネージャーさんたちが 京介さんにベッタリだったから…』
『…妬いてくれんだ…勝手に寄ってくるだけ。』
『…勝手にって…可愛い子たくさんいたよ?』
『…俺は璃子がいればいいの…』
軽くキスを落とされると 寂しそうに微笑む京介さんが瞳に写った。
その瞳が切なくて 苦しくて…
『…目を閉じて…』
『…璃子…』
『…私を…感じて…』
ゆっくりと私から深いキスを落とすとそのまま京介さんに覆い被さった。