あなたの色に染められて
第5章 カレー曜日
『いただきまーす!!』
まだオレンジ色が残る少し早い時間、彼は大盛りのカレーを大きな口を開けて頬張った。
『…美味しいですか?』
『すげぇうまい!サラダのドレッシングも何これ、手作り?』
『はい!人参が余ったんでのドレッシングにしました。』
『美紀ちゃんから料理上手だとは聞いてたけどここまでとは…』
本当に美味しそうに食べる彼を見ていると嬉しくなる。
料理上手なママにレクチャーしてもらっててよかった。
なんて、喜びを噛み締めてると
『おかわりしていい?』
『もちろんですよ。たくさん食べてください。』
結局三杯も食べてくれた彼。
それから食器も下げないでゆっくりと会話を楽しんだ。それはのんびりとしたとてもいい時間だったのに
『じゃあ、オレ風呂入ってくるわ。美味しかったよ、ごちそうさま。』
食べ終えた食器をキッチンまで下げてくれた。
さて、どうしよう…
彼がお風呂に入っている間に食器を洗って明日の朝食用のお米を研ぐ。
迫り来るアノ時間に私の胸はまたドキドキとし始めると
『璃子も入っておいで。』
『は…はぃ。』
頭をバスタオルでガシガシ拭きながらTシャツに短パン姿の彼
『…あの…メイク落とした顔見て笑わないでくださいね。』
『そんなに変わるの?』
『童顔なんで…』
くすっと優しく笑ったと思ったら
『いいから入っておいで。』
頭にポンと手を置いて微笑んでくれた。
*
体をよく洗ってゆっくりとシャワーを浴びて心を整えて…
…出なきゃダメなのかなぁ。
美紀みたいに痩せてないし、括れもないし…
バスルームの鏡に写る私を見ては溜め息の嵐
ココを出るってことは…そういうことだよね…
『ハァ…』
*
『お風呂ありがとうございました。』
京介さんはテレビを見ながらビールを飲んでいた。
『こっちにおいで。』
ソファーをポンポンと叩いて優しく笑う彼は恋愛上級者。
『乾杯。』
私の分もグラスに注いでもらってグラスを重ねると
『うわぁっ!』
京介さんに腰を引き寄せられた。
『そんな声出さないの。』
顎をクイッと上げられると唇を重ねられる。すると彼の舌が私の口内を動き回る。
『…んっ…はぁ…』
こんな蕩けてしまいそうなキス始めて…
唇がやっと離れると彼は優しく笑って私を軽々と抱き上げた。