あなたの色に染められて
第6章 アフォガード
…トントントントン
ん?…なんの音?っていうか
…あれ?…
まだ目覚めきれていない頭で愛しい存在を確認するように左手を伸ばし手繰り寄せようとするけど
…んっ?…あれ?…いない!!…
二人を包んでいたはずの毛布をガバッと引き剥がす。
そこには やっぱり…いない。
待てよこの臭いは…そうそう俺がリクエストしたっけ
…特製朝定食が食いたいって…
俺はすばやくTシャツに短パンを身につけてそっドアを開けると
…可愛いな…璃子は…
そこには 無造作に髪を一つに纏めて鼻歌を歌いながら キッチンに立つ愛らしい後ろ姿があって
そっと近より 後ろから腰に手をまわすと
『きゃっ!…もう!!危ないじゃないですか!』
…やっぱ 予想通りの反応だし…
手をバタバタさせなから口を尖らせてブーブー言う璃子はなんともかわいくて
埋めている首すじに軽くキスを落とし まだ文句を言う彼女の顎をクイッと後ろに振り向かせて
『…おはよ。璃子?』
『…おはよう…ございます。』
真っ赤な顔して 恥ずかしそうに視線をそらす彼女はまたかわいくて…唇を掬うようにキスをした。
頬を染めて潤んだ瞳で見つめる璃子。
…おまえわかってる?俺を煽ってるって…
『…なぁ…ベッド行こうか…。』
なんて聞いちゃうオレの手は璃子のシャツの中をさ迷いはじめて
『…もう…ダメですっ…。ほ、ほらまだ朝ですよ?』
額と額を合わせて 昨晩の続きをねだる俺を璃子は戸惑いながら制して
『あ、そろそろお魚…ちょっと待って…ご…ご飯ですよ。顔を…洗ってきてください!』
『わかったよ。』
ちゃんと我慢しちゃってるオレ…。ホントにどうしたんだよ。
本気でこいつに溺れたってことか…。
『あっ…ダメですっ…』
…アフォガードね。
夏樹さんもうまいこと言ったもんだ。
『本当にダメなの?』
こいつの甘くて色白な体に もっと溺れるんだろうな
『ちょっ…京介さん聴いてます?』
やっぱ聴くのやーめた。
『わぁ!』
ひょいと抱き上げれば
『こっち食ってから それ食うから。』
昨夜の続きを諦められない俺がいて
『冷めちゃいます!』
口を尖らせ手足をバタつかせて
…うるせぇなぁ
『…んっ…。』
うるさい口に蓋をすれば
『昨日の続き…な?』
甘くて深いキスを落とした。