あなたの色に染められて
第7章 I miss you
『璃子はホントに料理上手だな。』
そう言っていつもたくさん食べてくれる彼。
『ありがとうございます。』
大きな口を開けてニコニコして食べる姿を見ていると今度は何を作ろうなんて 頭は次のメニューを考える。
『もう少し食べますか?』
私のパスタを多めに掬い上げて彼のお皿におすそ分け。
私の倍以上も食べるのにこの体型。
『ごちそうさまでした! あー食った食った。』
それに引き換え私は全体的にポチャポチャしてる。
『あれ?まだいい匂いするけど…』
『夕食用にビーフシチューを煮込んでるんです。今から煮込んでますからきっと柔らかくなりますよ。』
京介さんは今食べ終わったばかりだと言うのにもう夕食に気持ちが行ってしまっていた。
何を作っても美味しい美味しいと喜んでくれる彼。
それは本当に幸せなことだった。
*
私が片付けをしている間に彼は持ち帰ってきた書類に目を通していた。
『大変ですね。はいコーヒー。』
『ゴメンな。すぐに終わるから。』
テーブルの上にコーヒーを置いて 私は隣でもう乾いたYシャツにアイロンをかける。
書類をパラパラと捲っては資料を見て またパラパラと捲っての繰り返し。
…格好いいな
アイロンをかけながらも感じる 真剣な眼差しに自然と目を奪われる。
『なに見てんの?』
『…へ?』
書類に目を落としたままでも私の行動はお見通しの彼
『すいません。横にいると邪魔しちゃいますね。』
その時ちょうどアイロンを掛け終わったので 立ち上がろうとYシャツを胸に抱えると
『ワアッ!』
京介さんは私の腕引っ張り
『え…』
ソファーにストンと寝かされる。
すると急かさず京介さんは私の上に覆い被さって
『…あ…せっかくたたんだのに…』
胸に抱えていたYシャツを放り投げ
『うるさい。』
私の両手をサラッと片手で掴みソファーに縫い付け
『…限界。』
射抜くような視線を私に向けて
『…んっ…』
私の唇を拐った。