あなたの色に染められて
第11章 ご挨拶
『璃子は変わってないなぁ。』
『ちゃんと 変わってますよ。』
京介さんに後ろから抱っこされる形でアルバムをみながら笑いだす。
『ほら、この幼稚園の写真もブー垂れて今とおんなじ顔だぜ。』
私の両頬を片手で摘まみ唇を尖らせる。
『やめてくらひゃい!』
そのまま顔を少し後ろに向かせて反抗するとその尖らされた唇にキスをする。
『うける…幼稚園の璃子ちゃんとチューした気分。』
『…もう!』
私がどんなに睨んだって京介さんはケラケラと笑うだけ
『…キャッ!ちょっと!』
『あーヤバイ、この感触たまんねぇ。』
頬を擦りよせておなかに腕を回してわき腹をブニプニと摘まみながら 体を左右に振られる。
『おなか触らないで下さい!! 』
腕を離そうとするけど力で敵う訳もなく
『イヤだ。ここも俺のだもん』
誰が脇腹を触られて喜ぶと思ってるんだろう。
痩せてる訳じゃないけど太ってるわけでもないと自覚してる私なんだけどこうもお肉を掴まれると…
『…ダイエットしますから。』
『はぁ?ダイエットなんかダメに決まってんだろ。』
考えてることと反対の言葉が返ってくる。
『でも…モデル体型の人が好きなんですよね?私なんて…チビだし童顔だし身体中プニプニですし…』
俯いて口を尖らせていじけると
『お前わかってねぇな。男はねこのプニプニ感が堪らねぇんだよ。』
ギュッと力をいれて抱きしめてくれるけど
『私は遥香さんみたいに背が高くってスッとしてる人に憧れちゃうけどなぁ。』
本音を漏らす。
『オレは断然プニプニ派。この感触知ったらもう手放せねぇよ。』
『だから!プニプニとか言わないでください!』
フッと京介さんが鼻で笑うと 私を優しく包み込む。
『そんな目くじら立てるなって、俺はこの柔らかい体を抱きしめるだけで疲れなんか吹っ飛ぶんだ。』
首に顔を埋めてふうっと息を吐くと
『璃子がいないと俺はもうダメなんだって思い知らされるよ。』
埋めた首筋にキスをする。
『学会行って浮気なんかすんなよ。』
『…しませんよ。それより私は京介さんが心配です。』
『しねぇよ。絶対にしねぇ。』
彼の手が私の頬を包み込むと甘くて愛しいキス落としてくれた。