テキストサイズ

虹色の精霊に導かれて…

第9章 ハイビスカスの嵐

黄色いハイビスカス


私は、この『二宮和也』を気に入っている。

幾度と、器を変えても、私の望みをかなえる者は現れなかった…


「ねー?だれ?」

 まだ、言葉を覚えたばかりの童が私に笑いかけてきた。


{私の声が聞こえるのか?}

「きこえるよ?」

 童は不思議そうな顔で手を伸ばす。


「ぼくのなまえは、かずなりだよ」


{かずなり…}


「うん」
 童は花が咲いたような笑顔を私に向けてきた。

この童が今世の器。いずれ、私と同じ道を歩むのであろう…

 その笑顔で、人を欺(あざ)むけるか?



≪おまえは!
  今日から僕の”理解者”だ≫

数年後、童はこの私にしか、笑顔を見せなくなっていた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ