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虹色の精霊に導かれて…

第10章 羽と尾と鼻と目と耳

大野視点


部屋の電気を付けて、荷物の向かっていく翔ちゃん。


「ねー、ちょっとこっち来てよぉ

 ふふ~

 翔ちゃん!話をしようよぉ」
ソファに腰かけて、バンバン背もたれを叩いて翔ちゃんを呼ぶ。


S「先に準備するから…智くんはそこに居て!!」


「はーい♬お願いしまーす♪」
(花の匂いもする…ふふ…)


S「替えのTシャツと下着はこの袋ね?靴下は…」
 嬉しそうに、俺の荷物から、服を出して明日の準備をしてくれる。



 部屋に…目の前に翔ちゃんがいる。

 それだけで、本当にそれだけでいい…



(…ショウ…傍ニ イルよねぇ?…)




S「智くん?どうしたの?傍にいるよ?」

 少し困った顔でおいらを見ている。



(ォmo…)



S「智くん?ここで、寝ないで!!ほら、ベッド…すぐそこだから…」
 翔ちゃんがおいらの肩をポンポン叩く。




「しょうちゃぁ~ん」

にこっと笑って両手を広げて『抱っこアピール』をしてみる。



S「はいはい」
 ニコニコしながら体を寄せてくる。


「おいら達の翔ちゃん♡」
 しっかり抱きつく。

S「はいはい!みんなの翔ちゃんですよ♪」
 背中に手を回すと、ポンポン叩いてくれる。


(あー翔ちゃんの匂いがする…)


「その花はやっぱり、赤いのがいいね♪」
目の前に輝いているハイビスカスをツンツン触る。


S「そう?智くんの青いのだって綺麗だよ♪」
 翔ちゃんの優しい声が耳元で広がる。


「へへ♪良いだろう♪」
少し背中をそらして、翔ちゃんの顔を見る。


 翔ちゃんがふふっと笑って「よいしょ!」の掛け声と共に、抱き上げる。


S「智くん…なんか軽くなった?」

「そう?」

S「最近忙しかったもんね…体…鍛えないとね…」




30過ぎの男が抱き合いながら、ベッドにダイブする。


「きゃー♡ 翔ちゃんとベッドイン!!」
ふざけた声をあげる。

S「はいはい…お布団入ろうね♪」
 何事もないように、体を起こして、掛け布団に手をかける翔ちゃんは翔くんに戻っていた。

「やだ…もっと、一緒に…」
翔ちゃんの腕を掴む。

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