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虹色の精霊に導かれて…

第14章 一瞬の交差

猴宮視点

『嵐』の五人が“じゃんけん”を興じている。


(アレは良い。公平な立場で勝ち負けが一目瞭然)


N「オシ!!」


(勝敗が決まったようだな…
 カズナリが勝者か…)


お嬢{おめでとうございます♪}
 小猿がカズナリに向かって走る。


A「え?な、なんでここに…」
 小猿を相手に声を上げる相葉。

(ふふっ今世のアイツも声が通るのぉ)


『あれは、素が動物なのだよ』
扇子を広げフワリと御仁の前に立った。


O「わ!」
 驚く御仁。

(それほど、驚かぬでよい)

O「なんだ。宮様か…」


(我を認識したのか?腑抜けた顔をしぉって…威厳はどこへおいてきた)


 御仁が我をジーッと見ている。


(ああ、この衣が珍しいのかぁ)
『宴の席じゃからと言って、着せられた』
着ている半尻(はんじり)を撮む。


桃『高貴なお方が、水干(すいかん)のお姿で宴に参加するなど、恥ずかしいですよ』
 桃木があきれ声で話に入ってきた。


(自分は、恋し焦がれた御仁に会えるからと…意気揚々 衣冠(いかん)姿で登場する徹底ぶり、笑止)


O「え…なんデ…」

(おお!腑抜け顔がもっと腑抜けていくぞ!!)



桃『智殿…』
 桃木が御仁を見ている。


(桃木もなかなか面白き顔をしておる)



O「さ、サトシ…ソうダケど…モウ…yonndeくれナいノ?」


桃『私には、もうそのような資格はありません』
 御仁に深々と頭を下げる桃木。

O「そンナコトシナイで…」
 御仁の手が震えている。


(なぜ、そのような事をする!!)
宮『桃木!アレは我がした事…主の所為ではない!!』


(何度も言うておるのに…)


O「momonoki…」

 御仁が桃木に近づこうとした時、今世の翔が人の名を呼び、引き留めた。


 桃木の表情が曇る。


S「なぜ…あの人知ってるの…」
 今世の翔が人の名の御仁に問う。

 言葉につまる御仁。


 言葉ではなく、目でつながりつつある二人。


S「教えて…」
 翔が再び問う。

 桃木が目を背けた。


宮『いつまで…見つめ会うつもりか!』
 畳んだ扇子で、パンパンと翔と御仁の頭を叩く。

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