テキストサイズ

虹色の精霊に導かれて…

第32章 嵐 コンサート フィナーレ

〝season〟のイントロが優しく流れ始めると、大型スクリーンに今の五人の笑顔の写真が映し出される

その写真がゆっくりデビュー当時の顔になる


N「パラパラ パッパァ…」




唄い出すと沢山の思い出の写真が流れ始まる。

M『 踏み出す 夢の音を 』
 大きく息を吸って歌い出す松本。

A『 僕らは 感じている 』

O『 頬なでる風に光 』


S『 見つけた様な気がして 』

N『 咲いた 名もない花を君に届けよう 』

A『 消えることない思いと 』

O『 遠く離ればなれでも 』

S『 心ひとつ つながってる 』



 『 ひらひらと花が舞う頃 旅立ちを決めた思いは 今 誰のためでもなくて
   思い出を抱きしめながら 僕たちは 歩いてゆくよ 』

白いライトの中に青いドレスを着た精霊が踊っている。
 その周りに沢山の色は違うけど同じドレスを着た精霊もいる。


S(桔梗…槿…)
 目頭が熱くなって、声が震える。



 『 イマ ヒトミの奥に 輝く夢は いつでも いつまでも 』


M「いやーなつかしいねーー」
 振り向いてスクリーンの写真を見上げる松本。


N(ああ…もう 涙零れそうだよ…)
 振り向いている松本を見て、思う二宮。


薄い衣が頭上を通過していく。

N『 あの頃 憧れてた 未来を歩き出した 』

S『 分からなかったこと少し 分かり始めた気がする 』

その 薄い衣の上にもう 姿を保てなくなっている沢山の 想い が乗っていた。


A『 巡る季節の中で 変わりゆく僕の 変わることない思いを 』

M『 涙零れそうな時 君の事を 思い出す 』


薄い衣が櫓からの紫のライトに照らされ、淡く輝く。



{ショウ}
不意に呼びかけられ、振り向く櫻井。


そこには、誰もいなかった。

瞬きをしながら正面を向き直す櫻井。



{カズナリ 良いなぁ…}
≪だろ…嵐はこうじゃなきゃ…≫
 二宮は姿なき理解者たちに微笑みを向ける。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ