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虹色の精霊に導かれて…

第3章 出発点への道

櫻井視点

(智くん…どうしたの?どうして…なにも言わないの…)

 下を向いたまま一向に顔をあげようとしない智くんが気になる。


(『傍に来て…』って言ったら、来てくれるかな?)





  “ 王子・・そろそろ決めない? ”



 頭の中で弾けるように響く“彼女”の声…


(…今はダメだ。 我慢だ… 側に入れるだけ…で…いい…)




 メンバーを見回す。


 潤がいて、ニノがいて、雅紀がいる。


 温かいこの空気…


 そして、自由でいたい智くんここにいる。


(きっと、今の興味はソッチにあるんだ…今は、言わないよ…言えないよ…)


 自分の手を見つめる。

(俺じたいが、嵐じゃないから…『傍に…』なんて言えない

 今の俺なら、寄りかかるだけになりそうだ。共倒れになりそう…



 テリトリーに帰るまでは、気を張ってないと…)

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