僕が僕を殺した理由
第3章 。。。
僕の手には、届いたばかりの招待状が握られていた。
封を開けなくとも、それがタケと優香から送られてきたものだという事はわかっていた。やはり二人の結婚は決定事項のようだ。僕は変えようのない時間の流れに歯痒ゆさを感じ、溜め息をついた。その封筒を送られてきた時と同じ状態のままポストに戻し、切らしてしまった煙草を買うた近くのコンビニへと向う。
北国の冬は相変わらず早く、暖気目的のアイドリングもそこそこに車を走らせたせいか車内の冷たい空気が僕の躯を凍えさせる。愛車の窓に映る肩をすぼめた自分の姿が滑稽で、僕は思わず声にならない笑いを溢した。
深夜帯ともなればそこを通行する車も少なく、時折、けたたましく聴こえて来る緊急車両のサイレン音だけが唯一、僕を孤独から解放してくれるようだ。僕は感じずにはいられない孤独から逃げ出すように、アクセルを強く踏み込んだ。
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