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Blast of Brilliant STARS

第10章 ジャポニズム②

【みきちんさま・にのあい】



「俺には和を救うことが出来ないです……」

誰かと電話している雅紀の声。

突然聞かされた俺の余命。

俺は、田舎の診療所に入院している。

役場の草むしり中に倒れた。

小さい頃から体が弱く、いつもここのお世話になっている。

「和也、体調どう?」

「うん、大丈夫……」

俺と雅紀は同級生で、元々は雅紀のお父さんが開業した診療所だったが今は雅紀が引き継いでいる。

病弱な俺をいつも心配してくれた。

そんな雅紀にいつの間にか惹かれていた。

でも、想いを伝えることが出来なかった。

「ゆっくり休んでね」

部屋を出ようとする雅紀の白衣の裾を掴んだ。

「どうした?」

「俺、ずっと……雅紀が好きだった。死ぬ前にどうしても伝えたかった……」

暫しの沈黙のあと、雅紀が笑いだした。

「和也は熱中症で倒れただけだよ」

「えっ?でもさっき電話で和が……」

「あっ、あれ?和って言うのは亀の和くん。俺は獣医じゃないからね」

俺は恥ずかしくて布団で顔を隠したけど、雅紀がその布団を剥ぎ取って

「和也には俺という薬があれば大丈夫」

雅紀の顔が近づいてきたのでゆっくりと目を閉じた。



みきちんさん
2015-11-08 18:06:56


〉皆様の作品、素敵です☆
病院という同じお題なのに、
こんなにたくさんのバリエーション!
楽しませてもらってます♪

ってことで、書き逃げぇー!



〉切な系…ハンカチの準備を…

と思ったら、亀の和ですって!?

ふふっ、一本取られてしまいましたわ。
とっても上手くて面白いオチね。

先生も、爽やかでとてもステキ♡

病弱な和も、彼がいてくれたら一生安心ね。
雅紀というお薬、私も欲しいわ…

和の決死の告白も、赤っ恥かいて照れるのも
可愛くてたまらないわ♡

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