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Blast of Brilliant STARS

第10章 ジャポニズム②

【アロエリーナさま・大宮、山】



病気の恋人を見舞いに訪れた時
彼の主治医に、別室に呼ばれた。


「和が、余命一ヶ月‥」

「大野さん、少し外出しませんか」


「櫻井先生‥」

告知の後、主治医に連れられて
病院の敷地内にある裏庭へ出る。


茫然としてる僕の手を
医師は温かい手で
ずっと握ってくれていた。


眼前に広がる、色鮮やかな花々が
心地よい薫風に揺れている。


「この花畑、先生が?」

「ええ。患者さんが旅立たれる度に
その方が好きだった花を植えています。
栽培方法が違うので、苦労しますよ」

医師は慈しむように花々を眺めた。


「おれはひまわりにしてくれる?」

振り返ると、ナースに付き添われ
車いすに乗った和が微笑んでいた。


僕も医師も言葉を失い
ただ、熱くなる目頭を押さえた。



ひと月後、花畑に向日葵が加わった。

「先生、このひまわりは僕が世話しても
いいですか?」

「勿論。いつでもご来院下さい。
和也さんも、お喜びになるでしょう」


全ての悲しみを吹き飛ばすような
彼の明るい笑顔に、心安らぐ。


天に向かって、高く伸びていけ。

何度朽果てても、夏に大輪の花を咲かせて。


“私はあなただけを見つめる”

――智、ずっと見ているよ。



アロエリーナさん
2015-11-12 17:42:15


〉お疲れ様です☆
切な悲系一本投下っ(゚∀゚)ドーン

またにのしなせてすみません‥
また翔先生ですみません‥orz

ふと新聞みて目に入った「世界で一番悲しい花」という本のタイトル(県内農業高校のドキュメント)からイメージ膨らみました。

最後のは向日葵の花言葉。
和の一言、純愛かホラーか‥
ご想像にお任せしますw



〉ホラーだと、いつの間にか惹かれ合う山を
空からずっと見ている和…って感じかしら。

怖いわ。きっと夢枕に立つわ。
山と暮らせば、なんてね…

わたくしも今回初めて、
ひまわりの花言葉を知ったのだけど。

情熱的というか、意外と少し怖いわね…

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