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Blast of Brilliant STARS

第6章 ハロウィン③

【のさまじょさま・にのあい】銭湯



カポーン…

桶をぶつける音が、浴室内に響く。


「うぃ~…」

大きな浴槽に浸かりながら、俺は幸せを噛みしめる。


「おっさん臭いからやめなさいよ…」

傍らのニノが呆れた声を出す。


「だってきもちいんだもん。銭湯」


撮影の後、スタッフさんが貸しきってくれた銭湯に二人っきり。

こんなシチュで、幸せじゃないわけない。


身体を洗い終わったニノが、浴槽にはいってくる。

タイル張りの浴槽は広々として。
泳げそう。


「ニノ、見て。ネッシー」

「アホ…バカ…あいばか…」


「あっ…そんなこという…」

俺はネッシーをニノの顔の前に持って行った。


「ちょっ…やめなさいよっ…」

「大丈夫だって。俺のネッシー舐めて?」


「やめっ…フガっ…」

無理やり口につっこんでやった。


「んーっ…ばかふぁ!」

ゴホゴホいいながら、ネッシーを口から出す。


「お前がアイバカとか言うからいけないんだろ…」

ニノの腕を掴むと、タイルの浴槽の縁に手を付かせた。


「あんた…まさか…」

「そのまさかでーす!」


元気良く言うと、ニノを貫いた。

「ば、ばかああああ!」


情けない声が浴室に響いた。



のさ☆魔女さん
2015-10-10 16:02:47

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