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煩悩ラプソディ

第17章 笑顔に紛れた大怪獣/OAN






…ありゃダメだな、うん。



あんなV観せられてどんな顔したらいいんだよ。



んー…



さて、どうするか。





収録後の楽屋は、なんとなくいつもと違う雰囲気で。


翔くんはこの後仕事らしく、着替え終えると足早に楽屋を出て行った。


松潤はこのあと知り合いの店でパーティがあるとか言ってたな。
なんだ、パーティって。


相葉ちゃんと俺はこのままTV誌の撮影。
声がかかるまでここで待機となる。


ソファに座って雑誌をパラパラ捲る相葉ちゃんはどこかピリピリしてて…なんかうまく言えないけど。



わかるよ、相葉ちゃん。



あんなの観たら無理もないよな。



楽屋の入り口で声がしたから目をやると、番組スタッフと楽しそうに笑い合うにのが戻ってきた。


ほんとにおかしい時の、指差して笑うクセ。
あんなに楽しそうにして…えらくご機嫌だな。


そのにのの声にぴくっと肩が動いた相葉ちゃん。
だけど、何事もないように雑誌を捲る手は止めない。



「あ、ねぇ潤くんさ、こないだ借りたやつもうちょい借りてていい?」

「…俺なんか貸したっけ?」

「あれよ、あの気持ちいいやつ」

「あ〜あれね。いいよ、別に」



きもちいいやつ?



その言葉に反応したのは俺だけじゃなくて、相葉ちゃんもさっきみたいにぴくっとまた動いた。


雑誌を捲る手がものすごくゆっくりになって、後ろから聞こえてくる声に耳をすましてるみたい。



「すんごいいいよ、あれ」

「でしょ?にの絶対効くと思ったし」

「あの刺激がね、たまんないのよ」

「あれ風呂でも使えるよ?」



松潤のセリフに、相葉ちゃんの手が完全に止まった。



…今日そのワードはヤバいと思うよ、俺は。



相葉ちゃんの地雷踏んじまったんじゃねえか?

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