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煩悩ラプソディ

第23章 年上彼氏の攻略法/AN






現れたのは少し大人びた印象の櫻井くんと、いつも通りスタイリッシュな松本先生。


「ごめん、待ったろ?ちょっと野暮用で、」


相葉くんに申し訳なさそうな顔をする櫻井くんは、どことなく垢抜けたような感じがした。


やっぱり相葉くんも櫻井くんも、卒業したらまず髪を染めるんだなって。


高校からほぼ髪形が変わってない俺にとっては、今更イメチェンするタイミングなんてないけど。



「あ、二宮先生、お久し振りです!
すみません、遅くなっちゃって…」


会釈しながらそう口にする表情や声は、あの頃と何ら変わってなくて。


相葉くんと櫻井くんを前にすると、学ランを着た二人がダブって見えて無性に懐かしさが込み上げる。


「いえ…櫻井くん、元気そうですね。
…なんか雰囲気変わりましたね」

「そうなんだよね~。ね?翔ちゃん」

「雅紀お前、その先絶対言うなよ?」


ぐっと相葉くんに顔を近付けて、なぜか念を押す櫻井くん。


その後ろで腕を組んでその様子を見ていた松本先生も、接近した二人を面白くなさそうに眺めていて。


「…あれ?そういえば二宮先生メガネは?」

「っ!あ…あの、」

「あ、翔それはねぇ、あい」

「松本先生っ!」


急に口を挟んできたかと思ったら、危うくあのことをバラされそうになり慌てて松本先生を制する。


「そんなに恥ずかしがらなくてもいいじゃないですか。
…あ、そうだ、」


わざとらしく眉をしかめてそう言ったあと、思いついたように俺の耳元に手を添えてきて。


「…俺たち、昨日うまくいきました。
先生たちはまだです?」


小声で囁かれて、一瞬何のことか分からなかったけど。


「…っ!」


その意味を理解して松本先生を見ると、ニッと口角を上げてきれいに笑った。


その笑顔に、解釈が間違いじゃないと改めて思い知らされ思わず口を覆う。



うそ…


え、うそっ!?



「…先生?」


櫻井くんから心配そうに声を掛けられるけど、顔を見ることができなくて。


だって、妙に生々しい映像が一瞬にして脳裏に浮かんでしまったから。


「にのちゃん?大丈夫?」


続けて相葉くんに顔を覗き込まれ、こんなことを考えてる自分が無性に恥ずかしくて目を合わせられない。



松本先生っ…
もう、どうしてくれるんですか…!

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