煩悩ラプソディ
第41章 積み重なる真夏のsuccess/SM
いつも寝起きしているベッドの筈なのに、アングルが違うだけで別世界のように映る。
お互い体をサッと洗い流した後、下着をつけただけの状態で潤を組み敷いた。
さっきの潤の積極的な態度からしてまさかタチか?って一瞬思ったけど。
"抱いて"って言っていたのを思い出して、風呂場ではこっそり安堵の息を吐いたんだ。
ごめんだけど俺は完全なるタチ。
そしてきっと潤は完全なるウケ。
こういうとこの相性も抜群だなんて。
見下ろす潤の瞳は期待で潤んで俺を見上げる。
上気した頬に張り付く少し長めの黒髪は、拭い切れなかった水滴で束になって艶めき。
そして。
想像通りだった色白できめ細やかな肌は、鎖骨のラインが綺麗に浮き出て男のものとは思えないほど。
ごくりと息を飲んで頬にそっと手を掛ける。
睫毛を震わせながら伏せたのを合図に、ゆっくりと顔を近付けて唇に俺のを重ねた。
「ぅん…ふっ…」
「はぁっ…んっ…」
すぐに首に回してきた腕にグッと引き寄せられる。
味わうように舌を滑り込ませてくる潤のキスは、さっきも思ったけどかなり気持ち良い。
「んっ…潤、キス…好きなの…?」
緩やかに角度を変えてのキスの合間、至近距離でそう問い掛ければ。
「ん…好き…翔さんのキス…気持ちいい…」
はぁと息を吐きながら目を細め蕩けた表情を見せる潤。
その壮絶な色気に体温は更に上昇し。
「俺も…じゃあもっとしよっか…」
「ん…もっとして…」
引き寄せられて耳元でねだる声が甘えたように鼻から抜けて。
再び舌を絡ませるとくぐもった声で回された腕に力がこもる。
…やべぇ。
キスだけでこんな気持ち良いの初めてかも…
俺マジ今日余裕ねぇな。
もう我慢とか無理っ…!
繰り返しキスをしている内に簡単に変化をもたらした互いの中心。
下着同士でも十分に快感になるほど形を成して擦れ合う。
それが上半身の素肌に触れ合う気持ち良さと相まってどんどん昂っていく。
さわさわとそこに手を滑らせれば離したくないくらいすべすべの肌。
「ぁっ…んん…」
ぴくっと反応して漏らした喘ぎが甘く響いた。