煩悩ラプソディ
第41章 積み重なる真夏のsuccess/SM
このほんの数分の間にこんなにトントン拍子に事が進むなんてことある?
まさか…
潤も俺と同じこと考えてたなんて。
…つーか待て。
「…潤」
ぽつり呼び掛ければぴくっと揺れた肩。
未だ俯いたまま拳を握り直す仕草が居た堪れなくて。
再度名前を呼んでも頑なに顔を上げないから仕方なくそのまま続けた。
「悪いけど…俺は今日だけとは思ってないよ」
「っ…」
おずおずと上げた瞳はさっきの色気が半減して弱々しく揺れていて。
「…こんなこと言うのもあれだけど、今日初めて会った時からもう潤に堕ちてた」
「……ぇ」
「だから絶対逃したくないって思ってたらさ…うち来るとか言い出してマジ?ってなって…」
「……」
「カッコ悪ぃけどソノコトしか考えてなくて俺。
そしたらまさか潤もって…ビックリして…いや正直…」
一人つらつら話しているのを何も言わずに聞いている潤。
あ、しまった。
ついくどくどと説明みたいに話してしまうのが俺の悪い癖。
今までもこの癖のせいで掴めそうだったチャンスを逃したこともあったんだった。
「あ、いやごめん!ウソくさいって思うかもしんねぇけど違うから。マジでホントだから…」
今更とは思いつつも慌てて付け足して口を噤む。
するとふいに耳に届いた小さな声。
「…うれしい」
「っ…」
そう言ってはにかむように控えめに笑う顔にまた心臓を撃ち抜かれて。
互いに同意の上、更にはそこに気持ちも折り重なったんなら誰も文句の言いようもないだろ。
いや言わせてたまるかっつーの!
「…潤」
背中に回した腕で引き寄せれば必然のように重なる唇。
さっきより深く濃くなるキスに下半身が重く疼きだす。
それに、跨った潤が無意識なのかゆるゆると腰を動かしているのにも堪らなくなって。
「んっ…はっ…」
「じゅ、ん…」
しがみついたまま角度を変えて繰り返すキスと、密着した下腹部に擦り付けられるハッキリとした潤の欲の塊が。
俺の欲望に並々と注がれて混ぜ合わさり、ついにキャパを超えて溢れ出した。