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煩悩ラプソディ

第45章 流星エピローグ/AN






初めこそ味わったことのない違和感になかなか受け入れられないでいたけれど。


「…かずくん、大丈夫?」

「んっ…」


指を押し進める度に雅紀から心配する声が上がり。


返事の代わりに目の前の首にぎゅっとしがみつく。


水面下では静かに俺の後ろを拡げていく細長い指の感触。


温かいお湯と相まってジンジンと熱く痺れるような感覚が拭えない。


ゆっくりと優しく。


痛くないって言ったら嘘になるけれど、それでも我慢できないレベルじゃなくて。


それだけ慎重に進めていってるってこと。


そこまで俺のこと考えてくれてるってこと。


「かずくん…?」

「…ぅん?」

「も、そろそろいいかなって…」


ゆっくりと顔を上げれば顔中に汗の粒を光らせる雅紀の余裕のない瞳が。


実際、俺のお腹には雅紀のが反り返った状態でずっと当たっていた。


俺は痛さと窮屈さに意識を持ってかれてて正直それどころじゃなかったけど。


雅紀は俺で興奮してるんだ、って。


そう思うとこの準備も頑張んなきゃって思えたし。


何よりも、雅紀と繋がりたいって思いで必死だった。


「も…いいの…?」

「うん、大丈夫だと思う。それにさ…」


背中に回されていた左手がそっと俺の髪を撫でて。


「これ以上ここにいるとかずくん倒れちゃいそう」

「ぁ…」


どのくらいの時間が経ったのかすら分からない程、この行為に二人とも集中していたから。


洗いざらした髪は半ば乾いてしまって。


ちゃんと保っていないと視界もぼやけてしまうんじゃないかってレベル。


「俺の部屋でいい?」

「…ん、うぁっ…!」


雅紀の問い掛けに答えようとしたらいきなりずるっと指を抜かれた。


あれだけ慎重にしてきたのに抜く時はなんでこんなに雑なんだよって。


優しいのにとことんせっかちな雅紀にはぁっと溜息を一つ。


「どうしたの?体つらい?」

「違うよもう…」


慌てて顔色を窺ってくるその様子に段々と笑いまで込み上げてきた。


「…も、早く行くよ」

「えっ、あ、待って」


ざぶっと波立たせて立ち上がると明らかに自分のお尻に違和感を覚える。


こんな感じなんだ…男同士って。


とてもじゃないけど触って確認することはできないけれど。


これから、雅紀と…

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