煩悩ラプソディ
第45章 流星エピローグ/AN
普段はあまり入ることのない雅紀の部屋。
オレンジ色のベッドライトだけが灯るこの場所で。
静かに見下ろされる熱い視線に吸い込まれそうになる。
風呂場から直行した真っ裸のままで。
暖房が入っているからか互いの昂ぶった体温のおかげか。
何も身につけていなくても不思議と寒さなんて感じなかった。
チラと視線を奥に遣ればしっかりとこちらを向く雅紀のが見えて。
こくっと息を呑む。
「かずくん…」
小さく呼んだ雅紀の唇が降りてきて俺のそれと重なる。
覆い被さった互いのモノが軽く触れると雅紀の体がぴくっと反応して。
「ん…はぁっ、かずく…」
逆上せる寸前まで火照った素肌は重なる全ての部分から熱を伝染させている。
それは雅紀のソレも当然のごとく。
そんな時ふと過ぎった思考。
そういえば俺、シてもらうばっかで雅紀に何にもしてあげてない。
もしかしたら今のうちしかそんな余裕ないかもしんないし。
…ちょっとだけ触ってもいいかな。
絶え間ないキスは完全に受けているという感覚。
そうされながらそっと雅紀のに手を差し伸べてみた。
「っ…!」
触れた瞬間唇が離されビクッと揺れた体。
その反応に思わず間近の顔を見上げれば。
「か、かずくんっ…何してんのっ」
やけに焦った声色で見下ろしてくる雅紀。
え、なんでそんなに慌ててんの?
「何って…触っちゃダメなの?」
「ダメっていうかっ…そんなことしなくていいって!」
「は?なんでだよ」
「なんでって…」
やたら俺に触られるのを拒否る雅紀をジッと見つめていると。
バツの悪そうな瞳でそっと口を開いた。
「だって…かずくんに触られたらすぐイキそうだし…」
「……」
「キスしながらとか…絶対我慢できないしっ…」
「…ねぇ」
「え?」
「ケンカ売ってんの?」
きょとんとしたそのマヌケ面をじとっと見上げて。
…それって昨日の(さっきも)俺じゃん!
くっそ…早くて悪かったな!
「えっ、いやそんなつもりじゃ、」
「うっさいな、俺ばっかじゃなくてお前もイケっ!」
我ながら傲慢な言い草だとは思うけど雅紀の言い訳がなんだか納得いかないから。
「っ、うあっ…!」
無防備に晒された雅紀のモノに再び左手を伸ばした。