煩悩ラプソディ
第10章 星に願いを/AN
にの…
何を思って、俺にメッセージをくれたの?
何を思って、俺に星空を見せたの?
何を思って、俺の手を握ったの?
何を思って、これを贈ろうとしたの?
体中に配線をつけて…俺に何を言おうとしたの?
『どこにいてもさ、おんなじ空なのかなって』
あの日、にのがそう投げた言葉を俺はうまく受け止められなかった。
そこからは…なにが見える?
…俺のことも、見てるの?
にのっ…
込み上げてくる感情を抑えられずに頭を抱えて泣いた。
触れる鎖の金属音が静寂に冷たく砕け散る。
弾みで、膝に乗せていたカードが足元にカサッと落ちた。
カードを拾い上げ、二つ折りになっているのを開く。