例えばこんな日常
第19章 ピンクのカウボーイ/AN
首筋や耳を可愛がっている最中、にのはひっきりなしに甘い声を上げる。
ふと視線を襟元にやれば、鎖骨の下の小さい突起まで見えて。
なんだかイケナイものを見ているような不思議な感覚。
いやこれは見えちゃうんだからしょうがない。
キスは止めずに左手でぐいっと襟を広げてみれば。
見通しの良くなった視界に映るのは、平らな胸とその先の小さな突起。
そしてその奥には、頭をもたげ始めたにののソレ。
「っ、なに…」
「ふふ、こっからよく見えるよ」
わざとらしく襟元から覗くと、ぐいっと頭を押して抵抗してみせてるけど。
その間もぴくぴくと反応してるにののを目の当たりにしたら…
こんな抵抗なんてただのパフォーマンスじゃん。
「ちょっと腰浮かせて」
そう言えば、何の躊躇いもなく言われた通りに膝立ちになるにの。
エッチの時は基本的に俺に従順になるこいつが愛おしくて堪らない。
それがいくらおかしな注文であっても、一旦嫌がってみせるだけで結局受け入れてくれるんだ。
ベッドの上での膝立ちでバランスが取りにくいのか、すぐに俺の肩に両手をついた形になったにの。
何をするのか、何を言われるのか。
期待なのか不安なのか分からない潤んだ瞳を黙って俺に向けてくる。
「ねぇ今日はさ、これ着たままシていい?」
「…なんで」
「あれ再現してもらおっかなって」
「……」
「俺のおかげだよね?あそこでみんなのこと騙せたの」
下から見つめるにのの瞳は、目元と頬を赤く染めてうるうるしてて。
「いいよね?今日、このままで」
そう念を押してじっと見つめ返せば、尖らせた口から小さな息が漏れた。