
たのしいまいにち
第3章 初めて
先ほどシャワーを浴びていた彼は、
軽く体を流すと浴槽へ入っていった。
わたしは、丁寧にボディーソープで体を洗っていた。
彼は浴槽から、手で水鉄砲のように水を飛ばしてきた。
わたしたちは真顔だった。
そういった冗談が自然に受け流すことができることは、実際にあったことが2回しかない私たちにとって不思議なことではない。
本当に気があうというか、運命だと感じている。
不倫のくせに、と思われるかもしれないし、
運命はそんなに軽いものではない、と思われるかもしれない。
19年しか生きていないわたしは、人生経験の豊富な方々と同じ価値観ですべてを感じることができるわけではないと思っている。
そして、年齢のせいだけではなく、わたしの考えはどうしても大人になることができない、残念な性格であることの方が大きいかもしれない。
私たちは、お湯に浸かり、備え付けのテレビでほとんど裸の姿のお相撲さんを見て「裸〜」と笑いながら、バスルームを出た。
さっさとタオルで体を拭いた彼は、
さきにバスローブを着て行ってしまった。
