秘密
第17章 前進
実は学校に行き始めたんだ
今日はルナにとっての入学式
初めての学校を始めての受験で受かった
当然他の生徒は春からいるわけでクラスに馴染んでいた
ルナも転入生だからかたくさんの人が話しかけてくれた
でもどこか怖くてあまり上手に話せなかったと思う
先生はルナが思っている怖さを緊張と捉えたらしく
笑って流していた
これが悪夢の始まりだとも知らずに
初めての授業は〔学活〕というものだった
初めてだから何をするかなんて分からない
配られたプリントの題には
『感謝の気持ち』
幸い受験のためにたくさん勉強したから漢字は読めた
【感謝】かぁ
やっぱりさっくんかな、あと嵐もさとしくんも
そう考えていると
先「では、これからこの紙を配ります。ここには両親への感謝の気持ちを書きましょう。」
【両親】
ルナにはいない
どうすればいいんだろう
いなくてもいいのかな
元々いたんだし
感謝ならたくさんある
先「あ、近藤さんは他の人でもいいわよ」
この一言でクラスはざわめき始めた
先生のせいで初日でばれたんだ
翔くんは言わなければわからないって言ってたのに
第三者の先生のせいで……
「えールナって親いないのー??」
1人の男子がからかい始める
「じゃあさ、【ルナの命ってないようなもんじゃん】。だって親いないんだろ。ルナを産んだ人が存在しないなら…」
耳に手を当て必死に聞かないようにした
次第に騒音が大きくなってくる
耐えられなかった
みんなが敵になった瞬間だった
あんなに話しかけてくれてたのに
先生のせいだ
涙が溢れた
これが本当に辛いときの涙なのかな
ルナは教室を飛び出して校庭でひたすらに隠れてた
時々警備の人が探しに来たけど見つからなかった
下校の時間になると何もなかったようにしてさっくんの待つ車に向かった
もう一生来ない
学校なんて