秘密
第26章 伝
俺は身支度を済ませて車を走らせた
別にデートなわけじゃないし、ジーパンにTシャツにパーカーっていう王道スタイル
ファッションに興味がないし、ニノなんてきっとパジャマのままだろうし。
行く途中にあったコンビニでお昼ご飯を買っていった
ニノのことだからどうせ食べてないでゲームしてるんでしょ
そう思ってちゃんと2人分買った
俺さっきからニノのことしか考えてないや
ルナに出会う前もこうだったんだろうな
いつもメンバーのことばかり考えてて
今なにしてるのかな、とか
早く会いたいな、とか
なんか初心にかえった気がして嬉しかった
そのテンションのままインターフォンを押すと
「待ってましたよー」
ん?これゲームしてる時の声
ガチャっとドアが開くと案の定スウェット姿で片手にゲームを持っていて、予想が当たったことに満足した
「なんて顔してるんすかw早く入ってください」
「あ、お邪魔します」
俺はゲームしながら歩く猫背の男についていく
久しぶりだな、ニノと2人なんて
それにプライベートで会うなんていつぶりだろ
「これ、昼飯、買ってきたから」
そう言ってゲームをしているニノの前のテーブルに袋をどさっとおくと
「あざす、よく分かりましたね、俺が昼飯食べてないって」
「そりゃーニノのことだし食べてるとは思えないしねー」
「なんかそれひどくないっすか?」
ゲームを閉じて俺に問うてくる
「まぁまぁいいじゃん、食べよーぜ」
「ふぁーい」
2人で袋の中をあさりあってご飯を食べた