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秘密

第29章 別

※大野side

「大野さん。月さんが嵐のファンということを知っていたんですか?」

なぜよりによって俺なんだ
まぁリーダーだけど
俺なんかより翔ちゃんの方がずっと
ちゃんと答えてくれることなんて
みんなわかってるはずなのに。


「あ、はい。知ってました」

俺は必要最低限しか喋らない
今回に関しては特に、だ
どこでどう余計に話してしまうかわからないから


「それはどのように?」

「マッチさんがおっしゃっていたので」

こんな俺に見かねたのか
これ以上俺に話を振る人はいなかった

もちろん次に標的になるのは翔ちゃんだ

「櫻井さん。月さんとはなにか交流はあったんですか?」

「はい。」

この日の翔ちゃんは違かった
質問に対して一言、それも2文字だけしか
返さないなんて今回が初めてだ

「どのような交流を?」

「たくさんありすぎてわかりません」


こんな適当な答え
翔ちゃんらしくないよ

俺は隣にいる彼を横目で見た
目は少し赤かった
後ろの列にいる3人も同様

みんなこの時間が酷なんだ
もちろん俺だって

ルナは俺らにとって大切だったから

マッチさんとの約束を守れなかった
ルナを死なせてしまったという
現実を突きつけられているようで



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