秘密
第29章 別
※大野side
あの日からどれだけの月日が経ったのだろう
俺らの心には常にルナがいた
天国で見てくれていることを信じて
ひたすらに頑張った
仕事が終わった今
俺はルナの家に向かっている
さっくんに呼ばれたんだ
もちろん5人で
家に入るなりリビングに通された
テーブルの上に置かれた1枚のCDと紙
「ルナ様がお亡くなりになられる前に私に託していかれました。嵐様に渡してほしいと。あの子は最期まであなた方の話をしておられました。本当に幸せだった、と。受け取っていただけますか?」
「もちろんです。ありがとうございます」
俺はそれを手に取った
紙には文章が書かれていた
全てがひらがなだった
「ルナ様、どうしても自分で書きたいとおっしゃったのですが漢字がわからないようで…一応私の方で漢字に直したものもあるのですが、どうしますか?」
「いただいておきます」
きっとそれを使う時は来ないのだろうけど
一応もらっておいた
櫻「あの…この家ってどうなるんですか?」
「ルナ様からのお要望で残すことにいたしました。掃除は私が行いますが、誰も住む方はおられません。ルナ様がここは思い出の場所だから、と。」
櫻「そうなんですか。」
翔ちゃんは少しほっとしたように見えた
「ルナのお母さんってどうしてるんですか?」
「ルナ様が亡くなられるひと月ほど前にお見えになりましたよ。家族になってほしい、と交渉されに。」
「で、どうしたんですか?」
「断られました。少し迷っていたんですけどね。お母様が、嵐様や私との関係は永遠ではない、とおっしゃいまして。きっとお母様の言葉が相当心に刺さったのでしょう。」
俺らとの関係が永遠じゃない…
「でも俺はルナを一生守るって
「ルナ様は怖かったんですよ!今の幸せがいつ崩れてしまうのか分からずに生きているのが。いつ見放されてしまうのか。あの子は本当に素直に生きておられました。それでも、それでも母親は家を出て行き、父親は亡くなり。これ以上大切である存在を失いたくなかったんですよ!」
俺は息を飲んだ
さっくんがここまで興奮するのは初めて見た
「…すいません…大きな声出してしまって。私も悔しいんです…ここの、近藤様一家が好きだったんです。たとえ雑用でも、ここにいるだけで幸せだったんです…」
あの日からどれだけの月日が経ったのだろう
俺らの心には常にルナがいた
天国で見てくれていることを信じて
ひたすらに頑張った
仕事が終わった今
俺はルナの家に向かっている
さっくんに呼ばれたんだ
もちろん5人で
家に入るなりリビングに通された
テーブルの上に置かれた1枚のCDと紙
「ルナ様がお亡くなりになられる前に私に託していかれました。嵐様に渡してほしいと。あの子は最期まであなた方の話をしておられました。本当に幸せだった、と。受け取っていただけますか?」
「もちろんです。ありがとうございます」
俺はそれを手に取った
紙には文章が書かれていた
全てがひらがなだった
「ルナ様、どうしても自分で書きたいとおっしゃったのですが漢字がわからないようで…一応私の方で漢字に直したものもあるのですが、どうしますか?」
「いただいておきます」
きっとそれを使う時は来ないのだろうけど
一応もらっておいた
櫻「あの…この家ってどうなるんですか?」
「ルナ様からのお要望で残すことにいたしました。掃除は私が行いますが、誰も住む方はおられません。ルナ様がここは思い出の場所だから、と。」
櫻「そうなんですか。」
翔ちゃんは少しほっとしたように見えた
「ルナのお母さんってどうしてるんですか?」
「ルナ様が亡くなられるひと月ほど前にお見えになりましたよ。家族になってほしい、と交渉されに。」
「で、どうしたんですか?」
「断られました。少し迷っていたんですけどね。お母様が、嵐様や私との関係は永遠ではない、とおっしゃいまして。きっとお母様の言葉が相当心に刺さったのでしょう。」
俺らとの関係が永遠じゃない…
「でも俺はルナを一生守るって
「ルナ様は怖かったんですよ!今の幸せがいつ崩れてしまうのか分からずに生きているのが。いつ見放されてしまうのか。あの子は本当に素直に生きておられました。それでも、それでも母親は家を出て行き、父親は亡くなり。これ以上大切である存在を失いたくなかったんですよ!」
俺は息を飲んだ
さっくんがここまで興奮するのは初めて見た
「…すいません…大きな声出してしまって。私も悔しいんです…ここの、近藤様一家が好きだったんです。たとえ雑用でも、ここにいるだけで幸せだったんです…」