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センニチコウ-変わらない愛を永遠に-

第2章 リナリア

Sho side

髪がしっとりと濡れて
ポタポタと雫が落ちる

白いシャツも透けて
うっすらと見える肌…
薄い筋肉

ドクンと鼓動が高鳴る

天使みたいに儚くて
怒られた子供の様に寂しげで

皆に声をかけられてるのに
迷子みたいに視線を彷徨わせてる

思わず駆け寄って
抱きしめたい自分と

その綺麗な絵のような姿に
目を奪われて動けない自分

その両方がせめぎ合って
楽屋に帰ってきた潤を
食い入るように見つめたまま
声をかけることもできずに
立ち尽くしていた

視線が絡んでようやく我に返った

こんな気持ちで見ていたことがバレたら…

目を逸らし唇を噛みしめて感情を抑えた



衣装に着替えて
各々楽屋を後にする

俺は一番最後に楽屋を出て
スタジオへ向かう

潤「…ックション…」

前を歩く潤がくしゃみをしてる

さっきは濡れてることばかりに気をとられてたけど…
コイツ…熱出しやすいんだった…

翔「大丈夫か…?」

潤「え!?…あ…うん,ごめん大丈夫」

子供みたいな笑顔で笑う潤に
一瞬ドキッとして息を呑んだ

さっきの姿とのギャップはなんなんだよ…

なんで俺がこんなに動揺してんの?

だんだん腹が立ってきて,思わずため息が漏れる

翔「ちゃんと自覚もって体調管理しろよ…あんな濡れたら風邪ひくに決まってんだろ?」

つい口調が強くなって
しまった…と思った

また小言みたいなことを言って
ウザイだけなのに…
しかもただの八つ当たり…俺,最低…

でも,後悔しても遅くて…

潤「うん…ごめん…迷惑かけないから…」

そう言って俺を見ることなく
スタジオに入って行った

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