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Jun side

本当は隣に座っていたかったけど

少しアルコールも回ってきていて
翔くんの隣にいたら
その躰に触れたくなるし

なにより
斗真の視線が気になるから移動した

気にしすぎなのかもしれないけど
何でもお見通しの親友の目を誤魔化す自信はない

久しぶりに会ったからか
翔くんも斗真も楽しそうで

俺も楽しいのに
…やっぱりモヤモヤする


「ところで,翔くんは知ってるの?潤の好きなヤツ」

一瞬会話が途切れたときに

突然言い出したその言葉に

潤「…っ,ちょ,斗真!」

今度こそ口に含んだビールが溢れてきて
慌てておしぼりを口元に当てた

でも俺の制止を気にせず

「もう何年も聞いてんのに教えてくれないんだよねー」

翔くんから何かを聞き出そうとしてる

潤「やめろって!」

そんな俺達を翔くんは楽しそうに眺めていて

んー…と考えるフリをしてから

翔「俺も何も知らないんだよね」

気になるよな,なんて言いながら

翔「そういえば,映画主演決まったんだろ?」

さり気なく話題を逸らして
俺の方を向いて微笑んだ

話題が変わったのはありがたいし

時折絡む視線も嬉しい

…でもやっぱり
翔くんが斗真を見る優しい瞳に
さっきからモヤモヤが収まらない