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センニチコウ-変わらない愛を永遠に-

第19章 シンビジウム

Jun side

翔『酔ったー……ねぇ…会いたい』

呂律がいつもより回っていない声が
耳元から聞こえてくる

潤「俺ん家,来る?
近くまで迎えに行こうか?」

今日は大学の頃の友達と呑むって言ってたし
さすがに店まではまずいだろ,と思ってそう言うと

翔『店まで迎えに来てー…?』

何の迷いもなく甘い声が呑んでる場所を伝えてくる

潤「いいけど…俺行って大丈夫なの?」

翔『いいから…早く来て?』

周りからは何の音も聞こえなくて
だから多分外にいるんだろう翔くんに

今から向かうから暖かいところにいて?
とだけ伝えて車を発進させた

いつもはあんまり酔わない翔くんが
今日は結構呑んだみたいで
何かあったのかな…と心配になりつつ

でも普段あまり聞かない酔った声が可愛くて
思わず顔が緩むのを抑えられない


店の駐車場に車を停めて
翔くんの携帯に電話をかける

翔『はーい』

潤「翔くん?着いたよ
駐車場で待ってるから」

伝えたとおり
店の中で待っててくれたみたいで

向こうからはワイワイと騒ぐ声が聞こえてくる

今行くね,と翔くんの声が聞こえて

その後に少し声が遠くなって
俺帰るね,とか
1人いくら?とか
友達と話してるであろう声が聞こえる

電話を切ろうと指を動かして…やめた

俺が知らない友達といる翔くんを
少し電話越しに見れるのが嬉しくて
そのまま聞こえる声を聞きながら

店から待ち人の姿が出てくるのを待った

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