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センニチコウ-変わらない愛を永遠に-

第36章 サボテン

Sho side

明らかに顔色の悪い潤は
収録中も無理して明るく振る舞っていて,どうしたって空回りする

皆がさりげなくフォローをいれる
もちろん俺も

でも原因がわからないし
本人は隠そうとしてるから

皆も気づかないふりをするだけ

それが嵐の優しさだと思う

でも…

俺はもうただのメンバーじゃないし

恋人が苦しい思いをしてるなら
助けてあげたいし
守ってあげたい


帰り支度をしながらも
未だにぼーっとしてる潤を
横目で見ながら

〔先に駐車場にいる,いつもの場所に止めてあるから〕

メールをして先に楽屋を出た

本当は楽屋ででもなんでも
抱きしめたかった

でも,それはできないから…

少しでも早く…二人きりになりたい


車に到着して10分経っても
なかなか潤が来ない

心配になって携帯を出したとき
ようやく,ゆっくり歩いてくる潤を見つけた

…いつもなら…バレそうなくらい走ってくるのに…


潤「ごめんね,遅くなっちゃって」

極めて明るくふるまう

やっぱりそれは無理している笑顔で

抱きしめようと,そっと手を伸ばした

でも…伸ばした先の躰がスッと引かれて

潤「誰か来たらバレちゃうよ…」

そう言って前を向いた

さっき,雅紀に触られそうになって
身を引いてたのも気になった

けどそれは俺じゃないから…かと思ったのに…

やっぱり,体調不良だけじゃない何かを抱えてる…

疑惑は確信に変わった

すぐに確かめたかったけど
とにかく家に帰ろう…

そう思って
エンジンをかけ
潤の家までの道のりを急いだ

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