痴漢
第2章 2
「先生……」
保健室のドアを開けて呼ぶと
大人という感じの男の保健の先生がこちらに来た。
「ああ、来たね。そこに座って待ってて」
指差されたソファーに座ると、先生は保健室の鍵を閉めた。
私の名前は、山梨 ゆかり (やまなし - )
高校一年生だ。
「山梨、この間の検査休みだったろ?」
「あ…、はい」
「でな、あの検査は、ちゃんとしないと行けないんだ。
でも直接病院行くとお金掛かるし、検査する先生はしばらく来れないみたいでな。」
「はい……」
「で、特別に先生が検査してあげるよ」
「え?」
意味が分からない。
先生はただの保健室の先生。
大事な検査をこの人が出来るんだろうか。
「実は、先生。医者を目指してたんだ。それで勉強してたんだが、試験に受からなくてね、それでここに。」
20後半の先生は窓を見てカーテンを閉めると、こちらに歩みよった。
「大事って言っても簡単な検査なんだ。
だから私でも出来るから、安心して」
「はぁ…」