
痴漢
第3章 3
「私、です………」
「うわ、香どんまーい!」
「あはは!まぁ、イイジャン!男子かっこいいしぃー」
良くないっ。
「触るねー」
「う、…うん…」
男の手が胸に伸びてきてギュッとわしづかみされた。
「ぃ…っ」
そのまま揉まれる。
「うぎゃー!まじやわらけー!」
「だろ!」
もうやだ……。
そしてしばらく、したあと
一緒に来た友達の二人がトイレに行った以降戻ってこない。
(なんで?)
今は、私と男三人だけ。
や、やだよ…
「あ、あの私もトイレ……」
「二人なら居ないから行っても意味ないって!」
「え?」
「俺達な、あいつらに香ちゃん連れてきてくれたら金やるっつったらマジで連れてきてさぁ。今なんか逃げてんじゃね?」
「そんな……!」
か、帰ろ!
こんなとこいたら危ないもん!
ここはカラオケボックスだ。
部屋から出さえすれば安全。
すぐに出ようとしたら、クラッとめまいが起きた。
ふらついた私を一人の男が支えた。
