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にじいろ。

第1章 出逢いは突然に。

〜 雅紀Side 〜



母「雅紀にね、紹介したい人がいるんだけど。会ってくれる?」




高2の夏
それは前触れもなくやって来た



物心ついた時から父親は居なくて
母一人子一人
二人三脚で今日までやってきたんだ

そんな母ちゃんからの
思いもかけない言葉だった



紹介したい人…?

まさか……男?!



喉元まで出かかった言葉を飲み込んで
平静を装った

雅紀「そ、そうなんだ。俺は構わないけど?」


母「そう、良かった。早速なんだけど来週の日曜…」

雅紀「…あっ!ごめん母ちゃん、俺もう学校行かないと!またゆっくり話聞くから!ごめんね、行ってきます!」

母「ちょっと雅紀!朝ご飯残っ…!」




トーストを口に咥えたまま
荷物を持ち
慌てている風を装って足早にリビングを飛び出した



母ちゃん…彼氏でも出来たのかな…?
いやいや、待てよ
今までそんな事なんて一度たりともなかったしな…


もしかして家庭教師?

…違うな。



そうか
俺に彼女紹介しようとしてるんだ!






って


んなわけないか

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