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にじいろ。

第16章 君の声が聴こえる。

そこから俺とかずは遊び始めてしまったようで
遠くの方でキャッキャと楽しげに遊ぶ声が聞こえて
その後音が途切れてしまった


かずは俺の横顔をずっと見つめていた

俺もまた
カセットデッキを停止して
かずに視線を移した





あぁ、そうだったのか
俺達がそれぞれ
夏に聞いたあの声は

小さい頃の
俺自身の声だったんだ




雅紀「全部理解した」


そう呟けば


和也「そういうことなんだよね?」


ね?理解したでしょ?


雅紀「そーゆーこと。」


かずをギュッと抱きしめた




遠い空の上から
俺たちはずっと
同じ景色を見て
同じ音を聞いてきたんだ

そして
今もこうやって
お互いの瞳に『今』を映し出していて
お互いの声を聞いているんだね。




産まれる前から
僕達は…。

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