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にじいろ。

第20章 裏切りは蜜の味。

潤「飯どーする?」

智「うちなんもないよ?卵とハムと食パンくらい」

潤「俺に任せろ!」

翔「さすが、潤!」


潤くんが朝食を作ってる間
何をするわけでもなく
ただボーッとテレビを見ていた。



『只今入ってきたニュースです。
新宿区◯◯の大手飲食店代表取締役社長、△△ 廣(ひろむ)さんが今朝、自宅マンションの地下室で頭から血を流して倒れているのが発見されました。
△△さんは拳銃自殺を図ったとみられています。
尚、新宿署は拳銃の入手経路など…』

ー プチッ ー



テレビの音はそこで途絶えた。


雅紀「かず」

智「ダメ…。見ちゃダメ、ニノ。」

翔「大丈夫か、ニノ」

潤「…ニノ」



和也「大丈夫。大丈夫…」










その翌日
藤島のマンションで
藤島本人の遺体が発見された。

死後二日が経っていたという。



あの日
俺を羽田に降ろしたあと
海外には逃げずに
藤島もまた
拳銃自殺を図っていた。

『何があっても生きて』

俺のその言葉は
藤島には届かなかった。




ねぇ、藤島さん…
なんでだよ…




『二宮』

最後に見せた藤島の顔を
フッと思い返した。


あっ…。










甘い、蜂蜜の香りがした。

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