無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

翔「ねぇ、なんで白なの？」


着替え終えた翔くんが
質問を投げかける。


智「その方がよく映えるからね」

翔「映える？」



用意した衣装は
白のシャツに白のパンツ。
スクリーンもそのまま白を使った。


智「これ、持ってくれる？」


翔「何、この薔薇…こんなの初めて見る」


智「それね、レインボーローズっていうんだ」



人工的に花弁を七色に染めた薔薇の花のブーケを
翔くんに手渡した。



翔「人工的に染めてるんだ…なんか不思議だね。」


ｶｼｬｯ


レインボーローズを不思議そうに見つめる翔くんの表情ををカメラに収める。




綺麗だ。
素直にそう思った。



智「レインボーローズにもね、花言葉があるんだよ」

翔「そうなんだ。教えて？」




智「奇跡。」




翔「奇跡…？」




俺は踏み台から降りて
翔くんに歩み寄り
所長には聞こえないように小さな声で言った。




智「翔くんは必然だって言うけど
俺はやっぱり
翔くんとこうなれたのは奇跡だなって思うんだ」

翔「智くん…」


智「それとね、
無限の可能性、って意味もある」



翔「無限の…可能性、」



ｶｼｬｶｼｬｯ








智「俺たちにもあると思わない？
無限の可能性。」