にじいろ。
第25章 赤と青のフォトブック。
翔「ちゃんと聞いてよ…
認めてくれって言ったのは撤回するよ。
認めて欲しいんじゃないんだ。ただ…ちゃんと、知って欲しくて」
父「何をだ」
翔「俺の…
俺の恋人は、男の人なんだ。」
…言えた。
とうとう言ってしまった。
もう後には引けない。
ギュッと拳を握った。
父「翔」
翔「…はい、」
父「この場に及んで冗談はよさないか」
翔「冗談なんかじゃないよ
本当の…ことなんだ」
父「櫻井家の長男が、男を好きだと?
何を馬鹿なことを…」
翔「父さん!
違うよ、俺は別に男が好きなわけじゃない。
たまたま好きになった人が男だった、それだけのことだよ」
父「ふざけるな!
これから医者になろうという者が、バカを言ってるんじゃない!」
母「あなた…!」
父「お前は黙っていなさい!」
父さんの一蹴でシーンと静まり返ったリビングに
時計の秒針の音だけが僅かに響いていた。
父「…馬鹿馬鹿しい」
翔「父さん…」
父さんはバンッ、と乱暴にテーブルを叩くと
そのままリビングを出て行ってしまった。
母「翔」
母さんが、そこに座りなさいと俺を諭す。
母「紅茶、淹れ直すわね。」
母さんは仕事柄
教育と福祉に従事しているのもあって
LGBT(レスビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダーの総称)のことも知識として知っているし
仕事で関わる人の中にはアライ(理解者)の人達もいる。
淹れ直してもらった温かい紅茶を一口飲むと
母さんから、衝撃的な事実を聞かされた。
認めてくれって言ったのは撤回するよ。
認めて欲しいんじゃないんだ。ただ…ちゃんと、知って欲しくて」
父「何をだ」
翔「俺の…
俺の恋人は、男の人なんだ。」
…言えた。
とうとう言ってしまった。
もう後には引けない。
ギュッと拳を握った。
父「翔」
翔「…はい、」
父「この場に及んで冗談はよさないか」
翔「冗談なんかじゃないよ
本当の…ことなんだ」
父「櫻井家の長男が、男を好きだと?
何を馬鹿なことを…」
翔「父さん!
違うよ、俺は別に男が好きなわけじゃない。
たまたま好きになった人が男だった、それだけのことだよ」
父「ふざけるな!
これから医者になろうという者が、バカを言ってるんじゃない!」
母「あなた…!」
父「お前は黙っていなさい!」
父さんの一蹴でシーンと静まり返ったリビングに
時計の秒針の音だけが僅かに響いていた。
父「…馬鹿馬鹿しい」
翔「父さん…」
父さんはバンッ、と乱暴にテーブルを叩くと
そのままリビングを出て行ってしまった。
母「翔」
母さんが、そこに座りなさいと俺を諭す。
母「紅茶、淹れ直すわね。」
母さんは仕事柄
教育と福祉に従事しているのもあって
LGBT(レスビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダーの総称)のことも知識として知っているし
仕事で関わる人の中にはアライ(理解者)の人達もいる。
淹れ直してもらった温かい紅茶を一口飲むと
母さんから、衝撃的な事実を聞かされた。