にじいろ。
第25章 赤と青のフォトブック。
母「あんな風にしか言えないお父さんのこと
許してあげてね、翔。
お父さんにはね…」
父さんには高校時代
一学年上の学友がいた。
名前は『晶(アキラ)』といった。
『この世の中は理不尽なことだらけだ。
正しいことがしたければ偉くなれ、櫻井。』
頭脳明晰、成績優秀だった彼の背中を追うように
父さんもまた、学業に力を注ぎ
彼と同じ超難関私大への進学を夢見ていた。
父さんは現役で大学に合格した。
そのことを誰よりも先に伝えたくて
公衆電話から彼の家に電話をかけた。
その時電話口に出た彼の母から
『あなたが、櫻井くんなのね』
と言われた。
あなたに渡したいものがあると。
父さんは
晶さんのお母さんが指定する住所へと向かった。
都内の総合病院だった。
その時、父さんが目にしたのは
沢山の機械と何本もの管に繋がれた、痛々しい晶さんの姿だった。
翔「晶さんは、どうして病院に…?」
母「自殺未遂、ですって…」
晶さんには同性の恋人が居た。
両親はおろか、周りの友達もそのことを知らされていなかった。
もちろん、父さんにも…。
晶さんは2通の遺書と
一通の手紙を残していた。
家族に宛てた遺書と
恋人に宛てた遺書
そして
父さんに宛てた手紙だった。
許してあげてね、翔。
お父さんにはね…」
父さんには高校時代
一学年上の学友がいた。
名前は『晶(アキラ)』といった。
『この世の中は理不尽なことだらけだ。
正しいことがしたければ偉くなれ、櫻井。』
頭脳明晰、成績優秀だった彼の背中を追うように
父さんもまた、学業に力を注ぎ
彼と同じ超難関私大への進学を夢見ていた。
父さんは現役で大学に合格した。
そのことを誰よりも先に伝えたくて
公衆電話から彼の家に電話をかけた。
その時電話口に出た彼の母から
『あなたが、櫻井くんなのね』
と言われた。
あなたに渡したいものがあると。
父さんは
晶さんのお母さんが指定する住所へと向かった。
都内の総合病院だった。
その時、父さんが目にしたのは
沢山の機械と何本もの管に繋がれた、痛々しい晶さんの姿だった。
翔「晶さんは、どうして病院に…?」
母「自殺未遂、ですって…」
晶さんには同性の恋人が居た。
両親はおろか、周りの友達もそのことを知らされていなかった。
もちろん、父さんにも…。
晶さんは2通の遺書と
一通の手紙を残していた。
家族に宛てた遺書と
恋人に宛てた遺書
そして
父さんに宛てた手紙だった。