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にじいろ。

第27章 背徳の瞳。

〜 雅紀Side 〜



何度電話をかけても繋がらない。

かず…
何処で何してるんだよ……



一睡もできなかった。
食事も喉を通らない。
真っ暗なリビングで
ずっと
ずっと
一人でかずの帰りを待ってた。


時計は既にAM8:00を指してる。
俺は握りしめていたスマホから
潤にラインを入れた。



『学校休むよ』


『ニノも?』

すぐに返事が来る。


『わかんない。
一応二人共休むって伝えといてもらえるかな。
もしかずが学校来てたら教えて。』


既読が付いた直後に電話がかかってきた。


潤『まー?
わかんないってどーゆーことだよ』

雅紀「かずのやつ…昨日喧嘩して出てったきりだから
俺もわかんないんだよ…」


潤『喧嘩って…何やってんだよ…
どこ行ったかわかんねーの?』

雅紀「わかんない…」


もし何かあったらすぐ連絡しろと言われて
潤との電話を切った。



― ガチャッ ―


玄関の開く音にハッとして
顔を上げる。
廊下へ続くドアを開けると
昨日出ていった時のままの格好のかずが
そこに立っていた。



雅紀「かず…!」

和也「…」


雅紀「よかった…無事に帰ってきてくれて…」


俯いたまま無言で二階へ上がろうとするかずの手を掴んだ。



かずの洋服から
微かに煙草の匂いが、した。

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