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にじいろ。

第28章 生きることの意味、死ぬことの答え。

ちょっと…
無効? 無効って…??


斗真「また一緒に学校通えるな!」

村上「せや! STORMももっと盛り上げないかんしな!」

風間「始業式、待ってるからな?」

和也「でも…」

潤「でももだってもねーだろ?」

智「そうだよ、ニノ」

翔「高校は出といた方が絶対いいって」



わかってる。
でもそんな簡単なことじゃない。
学校に通うってことは
店だって辞めなきゃなんない。
拾ってもらった恩義は?
中途半端で辞めていいのか?

生活費はどうする?
まーくんとまた一緒に暮らす?
自分勝手に出てきたのに?

グルグルと頭の中で自問自答を繰り返す。


俺にとっての正解ってなんだろう。
正しい道ってなんだろう

俺はどうしたいんだろう…



和也「ちょっと頭冷やしてくる」



会食の会場を抜け出して
斎場の外へと足を向けた。






真っ直ぐに立ち昇ってゆく、煙突の煙。
あーちゃんが空に還っていく。

人は
生まれたらいつか必ず、死ぬ。
生まれたその瞬間から
死に向かい、進んでいくんだ。

『生』をスタートとし
『死』をゴールとするならば
どの道を選び、どう向かうのか。
それを決めるのは…自分自身だ。



喫煙スペースのベンチに腰掛けて
その煙の行方を目で追いながら
ずっと、そんなことを考えていた。

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