にじいろ。
第29章 決意の朝に。
この家に帰ってきて
またまーくんと暮らせることも
学校にまた通えることも
ほんとに有り難いし
感謝しなきゃいけないことなんだけど
俺には一つだけ
心残りがあった。
和也「シンガーは続けたいんだ。」
雅紀「城島さんの店で…?」
和也「うん、取り敢えずはね。
時間とか日数とか、交渉してみようと思ってる。
でも、まーくんが嫌なら…」
雅紀「音楽でお給料貰えるんでしょ?
嫌なわけないよ。」
『でも』
って言いかけて、辞めた。
またLilyのことを蒸し返すことになるから。
忘れてほしいって
俺が忘れさせてあげる。って
言ってくれた言葉、無駄にしちゃダメだ。
まーくんも
きっとLilyだって
忘れようとしてる。
だから、俺も。
『明日の夕方、荷物を取りに行くよ』
Lilyにそう連絡を入れた。
返事はなかった。
翌日の午後になってから返事が来た。
『荷物は店に持ってくわ。
オーナーにも話してあるから。
雅紀くんと一緒に取りに来て?』
まーくんと一緒に…?
この時はまだ
Lilyの意図がわからずにいた。
またまーくんと暮らせることも
学校にまた通えることも
ほんとに有り難いし
感謝しなきゃいけないことなんだけど
俺には一つだけ
心残りがあった。
和也「シンガーは続けたいんだ。」
雅紀「城島さんの店で…?」
和也「うん、取り敢えずはね。
時間とか日数とか、交渉してみようと思ってる。
でも、まーくんが嫌なら…」
雅紀「音楽でお給料貰えるんでしょ?
嫌なわけないよ。」
『でも』
って言いかけて、辞めた。
またLilyのことを蒸し返すことになるから。
忘れてほしいって
俺が忘れさせてあげる。って
言ってくれた言葉、無駄にしちゃダメだ。
まーくんも
きっとLilyだって
忘れようとしてる。
だから、俺も。
『明日の夕方、荷物を取りに行くよ』
Lilyにそう連絡を入れた。
返事はなかった。
翌日の午後になってから返事が来た。
『荷物は店に持ってくわ。
オーナーにも話してあるから。
雅紀くんと一緒に取りに来て?』
まーくんと一緒に…?
この時はまだ
Lilyの意図がわからずにいた。