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0時の鐘が鳴る前に

第2章 100日間の恋人ごっこ

一か八かで、お願いしてみようかな…
断られたら、別れたことにしよう!

勝手に決意して顔を上げると、呆れてため息をつく広末さんと目があって怯む。

「お願いしますっ…彼氏のフリ、してくれませんか?」

あ〜、やっぱり馬鹿だわたし。
だっていくら常連客だからって、
名前を昨日知ったばかりの人にこんなこと頼むなんて。

拒否の言葉を覚悟して目をつぶると、

「…いいけど、条件がある」

聞こえてきたのは予想に反して、承諾の声。

びっくりして目を開けると、さっきまでの怖い顔は何処へやら…

広末さんは、まるでイタズラを考える子供のような

楽しそうな笑みを浮かべていた。

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