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0時の鐘が鳴る前に

第1章 菜津子の部屋

「…っ菜津子、あんたなに人の彼氏に手だしてんの?!」

そこに現れたのは、目の前に座る高橋君の彼女…美奈ちゃんだった。

「違う、そんなんじゃない!」

「菜津子の部屋だかなんだか知らないけど!
あんた自分に彼氏が出来ないからって、理由つけて人の男と遊ぶなんて最低!」

「…………っ!!」


本当に、違うのに。上手く言葉が出てこなくて、口ごもってしまう。


「え…?鎌田さん、彼氏いるんじゃないの?」

目の前で高橋君が戸惑った声をあげるけど、

「彼氏いる振りして、相談って口実作って遊んでるんでしょ?だって菜津子の彼氏なんて見たことないし。本当に最低。」

怒った美奈ちゃんは、誰にも止められない。

「い、いるよ!彼氏!」

気づけばこんな言葉が、口から滑り落ちていた。

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