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秘密中毒

第15章 再出発



ラウンジの職員がさりげなく
あたしのカップにコーヒーのおかわりを注いでくれて。

あたしは涙と鼻水で塗らした顔を、窓の外に向ける。

あの人の飛行機は飛び立っただろうか。


あたしも、出発しなくちゃ。

泣き止んだら空港を出て、新しい部屋に帰ろう。



ひとりで生きて、ちゃんと自分の足で立って。

それでまたありえない偶然で、山田くんに会えたりしたら。


また恋したら。



そのときは教えてあげようか。

たまご焼きの秘密も――――。



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