涙色*遠恋
第2章 『彼の居る場所』
……そしてまた……私は涼の車に乗った……
『……涼……
ほんとにご馳走様!美味しかったわ♪』
『……ほんと?……良かった♪
何処に行けばいいの?』
『……あ……
じゃあ駅で……
有り難とう、涼。』
『……OK♪……』
……それから……
帰りの車の中は二人とも、
恐ろしく無口になってしまった……
……やはり……
別れの時間が、
迫って居るからだろうか……
……私は……
まだ別れたくは、
無かった……
……涼とまだ……
一緒に居たい……
……そして……
私は確信した……
……涼に……
心を奪われてしまった事を……
……私は……
涼を好きになって
しまったんだ……
……やがて……
駅に着いた。
……本当に……
これで涼とお別れ。
……もう涼に……
逢う事も無い……
『……涼……
ほんとに有り難う。元気で……
雑誌が出来たら、
お宅に発送します。』
…と私が車から、
降りようとした、
その時だった
……涼に……
思い切り右手を、
掴まれたのだ……