テキストサイズ

素晴らしき世界

第14章 可愛すぎる理由

「智?」

呼びかけても返事がない。

身体を上半身に動かし、
顔を覗き込んだ。

智は規則正しい寝息を立てて、
グッスリと寝ていた。

「マジかよ……」

智の隣に倒れ込んだ。

その勢いでベッドが揺れたが
智はピクリとも動かない。

俺のコレ、どうするんだよ……

下半身に目をやると
主張した俺もモノがあった。

「まぁ、いっか……
時間はいくらでもあるからな」

智の髪をそっと撫でる。

「ふふっ…」

寝ぼけながら
いつものクシャクシャの顔で笑う。

「好きだよ……智」

額に軽いキスを落とし、
ベッドから立ち上がった瞬間

「好き……翔」

振り返ると智は眠ったままだった。

離れるのが名残惜しいが、
寝室を出て、タオルをお湯で濡らした。

そして、智の身体を綺麗に拭いて、
スエットを着せた。

身体を拭くたび、
服を着せるたびに、
悩まし気な声を出すので
襲いそうになった。

「勘弁してくれよ……」

もう今日、何回俺のモノは
反応してるんだろう……

風呂を済ませたあと、
寝室に行き、智の隣に身体を忍ばせる。

すると智が寝返りを打ち、
いつものように俺の身体にギュッと手を回す。

今日は誘惑だらけだ……

俺はそっと智の頭を上げて、腕枕をする。

智の髪に顔をつけて、
匂いをいっぱい吸い込んだ。

それだけ、心が満たされる。

嘘です……

性欲だけは満たせません……

明日はオフだから、
目が覚めたらいっぱい愛してあげる。

智が俺にくれた沢山の愛を
今度は智に俺が注ぐ。

暫くすると俺の胸で寝ていた智が、
モゾモゾ動き出した。

「智?」

俺の呼び掛けに智は瞼をゆっくりと上げる。

「翔……俺、何で……翔の家に?」

不思議そうに俺の顔を見上げる。

「覚えてないの?」

智は首を縦に振る。

「そっか……んふふっ」

「何で、笑ってるの?」

首を傾げながら聞いてくる智。

もう、行動すべてが可愛すぎるよ……

「ナイショ」

「ケチー、教えてよ!」

智が頬っぺたを膨らまして拗ねている。

あっ、またかわいい智に出会えた。

今日の話をしたら、
どんな反応をするのかな?

考えたら、緩む頬を抑えることが出来ない。

これからいくつの
かわいい智に出会えるんだろう……

その度に俺は智に恋をする。

きっと、永遠に……


【end】

ストーリーメニュー

TOPTOPへ